私設私書箱とは?

私設私書箱とは?バーチャルオフィスを探している人や利用中の方も含め、ちょっとした小ネタに私設私書箱も説明していきたい。

歴史ある私設私書箱

私設私書箱の歴史

郵便局で提供している私書箱。ある程度の大きさの支局であれば、私書箱サービスを提供している郵便局が多い。しかしながら、数に限りがある為、それに目を付けた事業者がサービス提供し始めたのが「私設私書箱」であると言える。単に私書箱と言ってしまうと基本的には、郵便局の私書箱を指しており、私設私書箱ではない。

郵便局の私書箱と対比し、個人向けにポストを提供していた私設私書箱が、サービスの過程で法人などの事業者向けにも提供し、さらには転送電話や電話代行のサービスも追加されていったというのが、ピーク時の状態であった。その後、私設私書箱の事業者数は、サービスオフィスの増加と共に減少し、今では数えるぐらいの事業者しか存在しなくなった。

PHS・・・ピッチと呼ばれた携帯電話が出た1990年代。その前に一時期あったポケベル。それからスマートフォン。さらには、ビジネスおけるFAXからEmail。Webサイトへと通信手段が進化を遂げ、手紙でやりとりする機会の減少と共に私設私書箱も減っていった。

私設私書箱なるものは、ほぼバーチャルオフィスに近い形態であり、同じと言っても過言ではなく、ビジネス用途ではむしろバーチャルオフィスのほうが優れている事もあり、時代の流れで淘汰された。さらには、コミュニケーション方法が時代と共に変わり、文書でのやりとりをしなくなった為、必然的に利用者が減少した。 こうして私設私書箱を知る層も少なくなり、2020年現在でおそらく30代後半以上の一部しか知らないワードであると考えられる。

私設私書箱の特徴

私設私書箱の特徴

現代における私設私書箱の特徴をバーチャルオフィスと対比しながら解説していく。

私設私書箱のポスト

バーチャルオフィスと異なり、私設私書箱の特徴的な部分が「ポスト」である郵便箱だ。多くの私設私書箱業者は、顧客別にポストを用意している。オリジナル設計の小箱が並んだ木枠のポスト。一般的であるロッカー型のポスト。色々あるがこれが無い私設私書箱は、もしかしたら私設私書箱であると言えないかもしれない。唯一バーチャルオフィスに無くて、私設私書箱にあるものがこの郵便箱だからだ。

私設私書箱の住所形態

私設私書箱の住所形態にも特徴がある。「私書箱番号」と言われるもので、当然郵便箱がある関係から例えば、〇〇ビル5Fだとしても契約者数に応じて番号やアルファベットを付けなければ、配達のしようがない。5F-Aだったり、5F-12だったり。通常の住所以外にこういった私書箱番号が付くのが特徴だ。よって、そこへ郵便を送る人にとっては、あからさまに私書箱へ送付する感覚がある。

その反面、バーチャルオフィスなどの場合は、〇〇ビル5F。〇〇ビル501などとなり、顧客別に枝番が付く事がない。よって、私設私書箱は、容易に住所から私設私書箱であると目視できるのに対し、バーチャルオフィスの場合、目視では分からないという事が言える。

私設私書箱の事業者の特徴

今風かそうでないか。老舗なのか新参者なのか。2010年代まで差があったが2020年以降、老舗が無くなったか、現代風になってきたのか。昔の私設私書箱と言えば、スポーツ新聞に広告を打って集客するような、所謂「道具屋」的な私設私書箱が少なくなかったのも事実だ。道具屋なるものは、よく警察が犯罪に使う道具を提供する事業者を指し、道具屋と言っていた。

そんな道具屋である私設私書箱を運営するような事業者は、ヤクザやアウトローな人間がやっていた事も少なくなかっただろう。ただ、法律も整備され、実入りも少ない為、よほどの事が無い限り手を出さないビジネスになってしまったのが、私設私書箱であるとも言える。

直近では、普通の綺麗なWebサイトを構えてシステム化。郵便物もWebサイト管理出来たり、スキャンデータまでWebで見れたりと普通の事業者も増えてきた・・・と書くと語弊があるが私設私書箱も行きつくところまで来ている印象だ。

私設私書箱の料金

私設私書箱の料金

格安料金が多い私設私書箱

バーチャルオフィスに対して、私設私書箱の料金が安価であるのは、基本的にオフィススペースや会議室も設ける事がなく、社長1人、おばちゃんの事務員1人で運営するような形態が多数派を占めている。もしくは、何かのついでの私設私書箱をやっているケースで、店舗ビジネスを行っているが空き場所に郵便箱を設置し、そこで片手間に私書箱サービスを提供する為、価格が安くなりやすい。

しかしながら、一番安いプランで数百円の場合、100人契約があっても月商10万円もいかない。1,000人契約してもたったの100万円だ。店舗の水道光熱費は目指せるだろうが、これで賃料・人件費・水道光熱費・広告費などの販管費をペイできるとは、到底考えられない。

追加費用も多い私設私書箱

私設私書箱の月額料金が非常に安い事は分かったが、追加費用が多いのも私設私書箱の特徴だ。もちろん、事業者によって異なるが昔から追加費用が多かった。サインが必要な受取荷物は、1回200円。たまった荷物を転送するなら1回500円。月間の郵便物が10通を超えたら以降1通当たり50円。などなど、あまり郵便物が届かない人は良いが、普通に使うといくらになるか見えにくいのが特徴的だった。昨今では、バーチャルオフィスの形態でも似たような傾向があり、全てコミコミでやっているところは少ない。唯一、サイン受取物が無料の傾向にあったり、週1回までの転送手数料が無料だったりとその程度だ。

私設私書箱の進化

私設私書箱の進化

ただ郵便物や荷物を受け取って、それを引き渡したり郵送転送したりするだけでなく、それなりにアナログなこのサービスも進化してきている。もちろん、あまりに小規模すぎて進化とは言えないかもしれないが紹介していきたい。

郵便物の破棄

顧客が受け取っていない状態で破棄する事が、郵便法や民法上どうなのかと言うラインを超え、サービスとして事前同意の上に破棄するところが多くなった。ただ、ネット上で該当郵便物の送り先などが判別し、「うっかり」が発生しなくはない為、トラブルを懸念し破棄は一切しない事業者も多い。この部分が進化するとただ単に破棄する事から、シュレッダー処理、溶解処理まで出てきている。

郵便物や荷物の画像

到着した荷物の情報を知りたい。と言うのが利用者のニーズである事は間違いない。昔であれば電話で確認していたものが、メールになり、管理画面になった。今では、タイプして情報を送信するのも面倒くさいので、郵便物や荷物の写真を撮り、それを管理画面に掲載している事業者もある。これであれば、スタッフは写真を撮りアップするだけで、作業が完了するので簡単であり、間違いも起きない。さらにユーザーも一発で判断できるので、これは良いサービスであると言える。

開封スキャン

これも利用者と事業者のトラブルになりそうなサービスだが、やはりニーズがある。もしも、海外に行っている場合や遠方にいる場合、このサービスが無ければ成り立たない。郵便物を転送してもらうにも日にちがかかったり、その処理が国外では出来なかったりする。その為、到着した荷物を管理画面からスキャン依頼をする事で、事業者が開封しスキャンし、データをアップロードするという便利なサービスがある。これであれば、中身を見てから破棄依頼も出来るので、より満足度の高い私設私書箱サービスになるだろう。

業務代行 開封しスキャンした内容を顧客が確認する。それが例えば、何かの手続きやコンビニ払いの料金支払いだった場合、代わりに料金を支払ったり、手続きを行ったりを依頼できるのだ。これがあれば、海外赴任で長期不在にしても、私設私書箱事業者が代わりに手続してくれるので安心だ。ここまで来ると顧客単価もあがり、顧客満足度も高いものになってくる。但し、個人情報の取り扱いや企業としての信用面が重要になってくる部分でもある。

国策として見る国設私書箱

もはや国民の大多数が携帯番号もしくは、Email、チャットアプリなどを保持しているだろう。現住所なる考え方の根本や本籍地の考え方。そこまで遡る必要があるが国が主導する伝達手段を電子化する事で、より国民に大きなメリットがあるのは間違いない。伝達先を住所から携帯電話、Email、チャットアプリに移行するだけで、スピード・正確性・開封確認・場所からの解放・紙の削減と配達によるCO2削減が達成できる。

国からの通知や民間からの通知、それがまとまっていたらどんなにスマートな社会が実現できるだろうか。本人確認による現住所確認がある以上、なかなか難しいドツボにハマっていると考えられるが、他国ではしっかりと電子政府が機能している有名なエストニアもはじめ、取り組みをよく耳にする。

本籍地の移動や住民票の移動から現住所確認と言う煩わしい法律から、国設私書箱へ伝達し、その開封及び入力により、住所確認を代替するべきだろう。それによる住民税や保険行政サービスなどに関しては、ネットワーク情報からの国設私書箱へのアクセスを元に行えば簡単だ。厳密で正確な住所よりも多少広げた概念を許容し、細目にネットワーク情報から現住所エリアを特定したほうが正確だ。

万が一、犯罪者を追跡する場合でも国設私書箱へのアクセスが滞れば、各種行政サービスを受けられなくなったり、労働できなくなったりすれば、山へ逃げ込むか誰かに渡して操作してもらうしかなくなる。 色々課題があるだろうが、この半世紀以上変わっていない郵便物をどうにかするには、民間ではなく国主導で変えていくしかないのではなかろうか。

私設私書箱とは?のまとめ

懐かしのと言うわけではないが、私設私書箱は歴史を感じるサービスだ。現在でもサービス提供している業者が全国であり、各社様々な形態でサービス提供している。私設私書箱でもバーチャルオフィスでも、人によってサービス内容が同じで呼び名が違うだけかもしれないが、両方の事業者を検討してみるのがベストかもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA